Concert Diary


【日本】コンサート・ツアー2010 - 前編

(2010年4月17日~7月21日)

2010年のコンサートを振り返ってみて、今年は特別な年だったと思います。
それは、"レ・クロッシュ"のマキとナオのコンサートは、10月から再開されて、 それまでの間はずっと他のピアニストと共演という事で、「宇宿直彰リサイタル」を開催したからです。
それで、今年はナオが「コンサートツアー2010」を書きます。

いつも応援下さいます方たちにこの場をお借りして、お礼を申し上げます。
本当に支えて下さる方たちへの感謝の気持ちと演奏を無事終えられた感動でコンサートを終えると胸がいっぱいになります。
本当に有難うございました。

まず、今年春から夏にかけては、僕の共演者は泉ゆりのさんでした。
とてもおとなしくて穏やかな人だったので、僕の希望する曲のニュアンスを忠実に聞いて下さり、合わせやすいピアニストさんでした。

春の公演は、4月17日のロビーコンサート、4月25日はスガナミ楽器店でのコンサート、5月4日は、東京文化会館小ホールでのコンサート、5月15日は、福島県いわき芸術文化会館 アリオス小ホールでのコンサートの4公演をゆりのさんにピアノ伴奏をお願いしました。
回数を重ねるごとに完成度が高くなり、満足のいく演奏ができたと思います。

福島のいわき芸術文化交流館でのコンサートは、今回初めてでしたが、とても演奏しやすいホールでした。
このホールは、東北公演の時の主催者である、須賀川のEさんのご推薦でしたが、とてもよいホールでしたので、2011年の5月14日(土)にも今度は"レ・クロッシュ"リサイタル予定を開催予定です。

毎回コンサートのたびに、色々な人と巡り合い、お世話になった方たちが沢山いらっしゃいます。
このスタッフの方たちが親身になって準備を進めて下さるから、コンサートが出来るのだと思います。
周囲からは、今まで色々な意見がありました。
「フランスから出てきてコンサートをしても、音大の先や同僚の繋がりも何もないから人も集められないし難しいですよ。」と・・・

しかし、2002年にはじめたコンサートから毎年欠かさずコンサートに足を運んで下さる方もいらっしゃいますし、少しずつ広がりの輪が出来てきたようで嬉しく思います。

東京文化会館やいわき芸術文化交流館では、エルガー、「愛のあいさつ」からはじまり、 バッハの「無伴奏チェロ組曲第3番」、サン=サーンス「白鳥」、ベートーヴェン「魔笛の主題による7つの変奏曲 作品46」そして、フランク「チェロとピアノのためのソナタ」を演奏しました。

フランクのソナタを演奏してみたかった曲でしたので、ゆりのさんと合わす事が出来てよかったと思います。

そして、マキはお腹が大きいながらもどの公演にも応援に来てくれて心強かったです。
東京公演の前日には、わざわざフランスのチョコレ―トケーキを作ってきてくれたし、いわき公演にもお腹が大分大きくなっていたにも関わらずずっとホールで僕の演奏を見守っていてくれました。

5月15日のいわき公演の打ち上げもお世話になったたくさんの方たちがたくさんお集まり下さってとても盛り上がって楽しい会となりました。

翌日には家族で観光!
「塩谷埼灯台」に行きました。
今でも驚くのは、103段もある階段をマキが大きなお腹で上ったことです。
上ったらやっぱり太平洋が一面に広がる景色は、素晴らしかったので、みんなで上ってこれてよかった!と思いました。
小名浜の水族館「アクアマリンふくしま」は、素晴らしい水族館です。
県でしているだけあって、とても充実しています。
マキの体調にあわせて、休憩を取りながら回りましたが、本当に見事で大人が楽しめるところです。

そのあとの、6月16日の八王子保健所のマタニティ・フェスタでのコンサートには"レ・クロッシュ"のコンサートをしました。
こちらは、みながマタニティでマキみたいなお腹の人たちと、赤ちゃんを連れての母子親子たちのお客様です。
マキのMCで同じ境遇にあるという事で、とても和やかな雰囲気のコンサートとなりました。

驚いたのは、最初騒いでいた赤ちゃんたちが、曲がはじまった途端に驚きの顔でじっとチェロの音色と楽器に釘付けにされていったんです。
意外にも、静寂の中で演奏をすることができました!
そして、30分間誰も声をあげたり騒いだりする子はいなかったので、主催者のカサド国際コンクール事務局スタッフの方たちも「今日は本当に驚きました!音が鳴り出した途端にピタリと声がなくなったんですから!」と感激していました。
みんな音楽が好きなんですね~
「演奏がいいと赤ちゃんでもちゃんと分かるんですね~」と主催者に言われて、とても嬉しかったです。

これでマキとの演奏はしばらくお預けです。

夏のシーズンは、コンサートも暑さでバテ気味になりますので体力維持が大変です。

7月12日は、とても暑い日でしたが、八王子市のY小学校でアウトリーチを前回と同じカサド国際コンクール事務局主催でコンサートをさせて頂きました。
ピアノ伴奏は、この時も泉ゆりのさんにお願いしました。
もうすっかり慣れて、意識しないでもお互いの気持ちが合うようになってきました。
Y小学校の校長先生は、「実はコンサート開始前には、いつもお行儀の悪い高学年の男子たちが暴れ出してしまうのではないかとそれが心配だったんです。
ところがどの子たちも真剣に曲に耳を傾けてくれて、本当に嬉しかったです。本当にいい演奏だと、みんながこんなにも集中して聴くものなのですね。」と感謝のお言葉を頂きました。

それから、7月21日、22日、そして27日の3日間続きます、「サマ― フェスティバル in すぎなみ 2010」です!
会場は、杉並公会堂小ホールに於いて、毎回3部構成で行われました。
僕は、21日には名曲コンサート、27日には、フランスの響きというタイトルで、ゆりのさんとフランスの曲ばかりのジョイントリサイタルに出演しました。

急に21日から真夏日になり、お客様たちも大変だったと思いますが、いらして下さったお客様は大変喜んで下さったようでしたので、ホッとしました。

実は、この7月21日のサマ―フェスティバルのリハーサル中に、叔父からの電話で、マキは無事女児誕生!という知らせを受けました。
偶然ですが、「サマ―フェスティバルの初日に産まれた!」とマキは大喜びでした。

楽しい経験をたくさんさせてもらいましたが、これで秋までしばらく充電期間にして、バカンスを楽しみながら、チェロの練習に励みました。

たくさんの方にお越し頂き、心から感謝致します。

また、サマーフェスティバルのスタッフさんたちには、大変お世話になりました。猛烈な暑さの中、準備から公演の後片付けまで本当にありがとうございました。またクリスマスフェスティバルでもよろしくお願い致します。

では、このあと 後編 がありますので、楽しみにしていて下さい!