Diary


【チェコ共和国】カルロヴィ・ヴァリ

(2002年11月20日)

オーケストラと共演して

皆様、チェコ共和国 カルロヴィ・ヴァリから帰ってきました。カルロヴィ・ヴァリの町は私達が想像していたより、もっと素敵な所でした。
テプラー川、オフジェ川の侵食によって形成された深い谷あいの地にある温泉の町。ここは1年中、温泉保養地として賑わっている所です。
この町には温泉水を飲みながら散策できるように造られた建物、コロナーダが沢山あります。この水を飲むのに面白いコップが売られています。私達も買いましたが、持ち手がそのまま飲み口になっている、独特のスタイルです。
町の説明ばかりしていても本題に入れないので、この辺でそろそろ私達の体験話に移ります。

この町に来て、まずビックリした事!それは町の売店のおじさんや旅行客たちが私達に声を掛けて来るのです。「マキコ!」「ナオアキ!」と。何故だと思いますか?それは、私達の音楽会の宣伝ポスターが町中至る所に貼ってあるので、町をフラフラ散歩していると日本人だから余計なのでしょうが、目について声を掛けてくるのです。呼ばれて握手などを求められると、何かとっても温かく、このカルロヴィ・ヴァリの町が益々好きになってしまいました。

カルロヴィ・ヴァリ交響楽団は市のオーケストラですが、指揮者のMilos Formacekさんや私達のお世話担当のDaniela Brosgenさんがとても親切でやさしく、感激してしまいました。オケのメンバーのコンサートマスターのVladislav Lineckijさんはロシア人(このオーケストラはロシア人が多いのです)ですが、おしゃべりな陽気な人で、いつも温かく接してくれたのでリハーサルの時からとてもリラックスして共演する事ができました。日本人のヴァイオリニストが1人いらっしゃいましたが、楽団員が皆いい人たちなので大変気に入っている、とおっしゃっていました。
音楽作りも私達がパリで勉強して行ったものを優先に考えて下さいましたので、納得のいく演奏が出来たのだと思います。こういう慣れない地では、楽団員からの励ましの言葉や優しい眼差しがとても有り難かったです。これがなかったら本番も落ち着いて伸び伸び弾くことができなかったと思います。ビデオも撮ってもらい、とても良い記念になりました。

結論から申しますと、自分たちで言うのも可笑しいですが、とてもとても素晴らしいコンサートでした。自分たちでも満足した演奏でしたが、それより指揮者、楽団員と聴衆たちの反応が凄かったのです。
私達の演奏がチェコ共和国でこんなに受けるとは思ってもいなかったので、もう嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。

プログラムを説明すると、1曲目はオーケストラのメンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」、2曲目は直彰のエルガーのチェロコンチェルト、そして20分休憩を挟んで、オーケストラのラヴェルの「亡き王女のためのパヴァンヌ」、最後に真紀子のラヴェルのピアノコンチェルトが演奏されました。
直彰の時も何度かカーテンコールがありましたが、真紀子の時は、何度出ても拍手が鳴り止まず、結局、急遽アンコールでドビュッシーの「月の光」(ピアノ・ソロ)を演奏しました。またまたこれも受けて、本当にこんな熱気を感じる事も滅多にないと思います。
そして、何よりも嬉しかったのは、指揮者が私達の演奏を気に入って下さり、来年も是非共演したい、一緒にレコーディングやフランス公演を実現させたい、とおっしゃって下さった事です。
この経験を活かして益々頑張りたい、と気持を新たにしました。本当に楽しかったです♪ 町中やリハーサル会場、そしてGrand Hotel Puppでのコンサートの写真もご覧下さい。